痛風・尿抗酸血症

 痛風は、高尿酸血症が持続することによって尿酸塩結晶が体組織へ沈着する病気と定義されていて、特有な痛風関節炎を主な症状とする全身性代謝疾患です。

 

☆痛風発作

 食事で摂取した肉、魚、大豆などの細胞の核の中にあるDNAやRNAなどの核酸など(プリン体)が代謝されて尿酸になります。この尿酸が関節液に溜まって痛風関節炎を起こすことがあります。痛風関節炎は下肢の関節に起こりやすい激烈な疼痛を伴う単関節炎で、一度発作が起こると疼痛のため歩行ができなくなり、日常生活が著しく制限されます。尿酸結晶の比重は血液より重いため体の下の方へ溜まる性質があり、足の拇指、踝などの関節腔内に溜まって炎症を起こすことがありますが、肘、膝、アキレス腱部には溜まらないので炎症を起こしません。痛風発作時に尿酸値が正常範囲内ということもありますが、それ以前に高い値が続いていた場合は、関節腔内の尿酸がまだ下っていないために痛風発作を起こし得ます。

 

☆高尿酸血症

 高尿酸血症は原因によって尿酸産生過剰型と尿酸排泄低下型の2つに分類されます。
身体の新陳代謝が亢進した場合や尿酸の原料になるプリン体の摂りすぎで尿酸産生量が増える場合(尿酸産生過剰型)と水分摂取量が少ないために排泄量が少なくなっている場合(尿酸排泄低下型)が原因です。血清尿酸値を正常域に保つことにより痛風関節炎が避けられ、尿酸結節は縮小してきます。痛風の人は虚血性心疾患や脳血管障害などの動脈硬化性疾患で死亡することが多く、尿酸と動脈硬化性疾患の関係は証明されています。

 

☆薬物療法

 尿酸排泄促進薬尿酸排泄低下型ではユリノームなどの尿酸排泄促進薬で治療するのが原則です。しかし、尿管結石の既往歴がある場合や中等度以上の腎機能障害を合併している場合は尿酸生成抑制薬を使用します。
 尿酸生成抑制薬は治尿酸産生過剰型ではザイロリック、フェブリック、トピロリックなどの尿酸生成抑制薬を用います。尿管結石があった人はこの系統の薬を用います。

 

☆食事療法

 プリン体を多く摂取するような食習慣はインスリン抵抗性や内臓脂肪蓄積を起こしやすく動脈硬化の危険因子を増すことから、食生活を改善することが大切です。プリン体が多いビールなどのアルコール、肉、魚、大豆製品の摂りすぎは高尿酸血症の原因になります。アルコールの中ではビールはプリン体がきわめて多く、ワイン、日本酒にはその1/10程度含まれていて、焼酎、ウイスキー、ブランデーなどの蒸留酒には含まれていません。尿酸値が高くてビールが大好きな人は最初にコップ1杯のビールで乾杯し、その後、他のアルコールに変えましょう。最近はプリン体オフという素晴らしいビールも発売されるようになりました。しかし、何れにしてもアルコール自体が尿酸の合成を促進し、排泄を阻害しますから、飲酒は適量が望ましいのです。肉、魚の料理では内臓、モツにプリン体が多いので注意が必要です。また、鰹節の出汁にもプリン体が多いので、プリン体を含んでいない昆布出汁はお勧めです。尿が酸性の場合は尿路結石が出来やすくなるため、服用時には牛乳と野菜サラダを勧めています。牛乳にはカルシウム、野菜にはカリウムが多いため、尿をアルカリ性に保つことができ、尿路結石の予防になります。