泌尿器科疾患

 泌尿器科系の病気の説明をいたします。

 

☆前立腺

〇前立腺肥大症

 前立腺は男性だけにある臓器で膀胱の下部、尿道括約筋の奥にあり、ほぼ中央を尿道が貫いています。精液の一部を生成しています。前立腺は内層と外層があり前立腺肥大は内層に起きるために排尿障害などの症状が出やすいのですが、前立腺がんは外層に起きるためにかなり大きくならないと排尿障害は起こり難いようです。前立腺肥大は60歳以上の人に多くみられる疾患です。男性ホルモンの存在と加齢が前立腺肥大症の発生と進行に影響しています。前立腺が腫大すると尿道が圧迫されて尿道抵抗が高まり、尿の勢いが悪くなります。また閉塞に伴う膀胱機能の変化により、排尿困難以外に頻尿、尿意切迫感、夜間頻尿なども出現します。
 診断には最大尿流量率、残尿量、前立腺容積などで程度を確認します。前立腺がんとの鑑別も重要です。
 治療法は尿道の圧迫を緩める作用を持っているハルナールなどの交感神経α1受容体拮抗薬、抗男性ホルモン薬、植物製剤を中心とした内服薬、手術、レーザー治療などがあります。

〇前立腺がん

 比較的進行が遅いため、早期に発見すれば手術や放射線療養で治癒することが可能です。かなり進行した場合でも適切に対処すれば、通常の生活を長く続けることができます。前立腺がんが進行すると、血尿や骨への転移による腰痛などがみられることがあります。腰痛などで骨の検査を受け、前立腺がんが発見されたり、肺転移がきっかけとなって発見されたりすることもあります。最近は、症状がなくても人間ドックなどの前立腺特異抗原(PSA)が高値であることがわかり、専門医を受診される方が増えています。
 受診すると、まずは排尿に関する症状を含めた問診、診察が行われます。尿検査、PSA検査、肛門から指を挿入して前立腺の腫れの状態を調べる直腸診や、肛門から超音波を発する機器を挿入して前立腺の状態を調べる経直腸的前立腺超音波検査などが行われます。
 これらの検査・診察でがんが疑われると、前立腺の組織の一部を採取して病理検査を手がん細胞が有るかどうかを調べます。がんが疑われる場合、あるいはがんと診断された場合には、レントゲン検査、CTスキャン、MRI検査、骨シンチグラフィなどでがんの広がりや転移の有無などを調べます。
 治療は前立腺を摘出する手術、線量が少ない放射性の針を前立腺内に多数埋め込む小線源放射線治療、抗男性ホルモン療法などがあります。このような症状が起きた時はなるべく早く食道・胃内視鏡検査を受けてください。

 

☆膀胱

〇過活動膀胱

 過活動膀胱とは頻尿、残尿感、尿意切迫、切迫性尿失禁などの症状が続くようになった状態です。加齢とともに増加し、男女とも70歳以上では3割以上が当てはまるという報告もあります。膀胱は尿を溜め、一定量になると尿意が起こります。症状が進行すると、排尿を意識的にコントロールしにくくなり、切迫した尿意が起こりやすくなるため、トイレに行くのを我慢することができなくなります。排尿筋が過剰に活動することが、過活動膀胱の原因であり、その他にも男性の場合は前立腺肥大、女性の場合は子宮筋腫や骨盤内の筋肉が弛緩するために子宮下垂が起こって膀胱が圧迫されることなどもあります。
 薬物療法では主に抗コリン薬であるベシケア、バップフォー、ポラキスなどを用います。前立腺肥大症の患者が過活動膀胱を呈する場合には、抗コリン薬よりα1受容体遮断薬のハルナールなどを優先的に使用します。
 生活習慣を改善したり、機能の弱まった膀胱や骨盤底筋を鍛えたりすることによって、尿トラブルの症状を軽減することが期待されます。
 症状が気になるようになったら主治医もしくは泌尿器科の先生に相談して下さい。