健康診断結果の読み方

 会社や住民健診を受けても、自分では分らないからと言ってその結果を捨ててしまったり、机の引き出しに放りっぱなしにしたりという人もいるようです。

長年、検診を受けていると体重、血圧、血液検査、心電図などの変化が分かります。結婚、転勤、職種の変化、出世などの生活環境の変化と体調の変化は大いに関係があります。時間があるときに、過去のデータなどを一覧表にしたり、コンピュータを使ってグラフを作ったりしてその推移をみるのも意義があることと思います。健診の流れや、結果の読み方を簡単に解説してみます。

 

☆診察

 問診で今迄に罹った病歴を聞いたり、現在の自覚症状を聞いたりしたあと、視診、聴診、打診、触診などを行います。

 

☆身体測定

 身長、体重、腹囲などを計測し、体格のチェックをします。
BMI =体重÷身長÷身長というように、身長と体重を基に計算します。例えば、身長170㎝、体重65kgの人は65÷1.7÷1.7=22.5と計算します。標準値は22で、25以上の人は肥満とされています。25以下を目標に体重を減らす必要があります。
腹囲:臍の高さの腹囲です。厚生労働省が決めた基準値は男85㎝以下、女90㎝以下で、それより多い人は内臓脂肪が多すぎて生活習慣病を引き起こす確率が高くなるので、食事療法や運動療法でそれ以下に減らしましょうということです。

 

☆血圧測定

 心臓は収縮、拡張を繰り返し、全身に血液を送り出していますが、血圧とは血液を送り出す圧力です。血圧は立位で心臓から脳まで血液を送れればよいわけで、実際には収縮期血圧が120 mmHg、拡張期血圧が80mmHgあれば十分です。必要以上に圧力が高いと心臓や動脈に過重な負担が掛かり、動脈硬化、虚血性心疾患、心不全などの誘因になってしまいます。


収縮期血圧:心臓が収縮して血液を送り出すときの血圧ですが、130mmHg未満を降圧治療目標とします。100mmHg未満で立ちくらみ、ふらつきなどの症状がある場合は低血圧ですから、味噌汁、漬物、煮物などの塩分を少し多めに摂取すると血圧が上がってくるので症状が軽くなります。
拡張期血圧:心臓が拡張して血液を戻すときの血圧ですが、85mmHg未満を降圧治療目標とします。低すぎる場合、心臓の聴診などで心臓弁膜症があるかを再確認し、弁膜症が疑われる場合は精密検査をします。弁膜症が無い場合は大動脈などがしなやかで弾力性があることを示しています。

 

☆尿検査

  腎臓は血液中の老廃物を尿中に濾過して排泄する働きをしていますが、必要なものを捨てません。尿の検査をして、身体に必要な物質を無駄に捨てていないかなど調べます。

 

■たん白:基準値;(-)

正常の腎臓ではたん白を尿中に排泄しません。尿中にたん白があるかを調べ、腎疾患の有無をチェックします。

■糖:基準値;(-)

正常の腎臓では尿中に糖を排泄しません。尿中に糖があるか調べ、糖尿病のチェックをします。

■ウロビリノーゲン:基準値;(±)

尿は黄色みを帯びていて、微量のウロビリノーゲンを含んでいます。尿中のウロビリノーゲンの検査をし、肝機能チェックをします。多すぎると黄疸、(-)は胆管系の閉塞疾患を疑います。

■潜血反応:基準値;(-)

尿の潜血反応を調べ、尿に血液が漏れているかチェックします。検査の前日や当日の朝に果物や野菜を多く摂ると、ビタミンCが尿中に出て潜血反応が陽性になってしまうこともあります。

☆便検査

■便潜血反応:基準値;(-)

 便に血液(ヒトヘモグロビン)が混じっているか調べ、消化管出血の有無を調べます。動物の血液には反応せず、ヒトのヘモグロビンだけに反応する検査法で、肉眼的に見てもわからない僅かな出血もチェックできます。日にちを変えて2回調べますが、1回でも陽性になった場合は大腸ポリープや大腸がんの可能性があるため、大腸内視鏡検査を受ける必要があります。ポリープやがんが成長している間は出血しないのですが、それが崩れるときに出血するため、日時を変えて2回検査をします。

☆血液検査

〇血算

■WBC(白血球):基準値;3,300~9,000/μL

身体を外敵から守る働きをしています。体内に細菌やウイルスなどの異物が侵入した時、これを取り込んで破壊したり、免疫抗体を作ったりして細菌、ウイルス、がん細胞を殺したりする大切な働きをしています。炎症が起きると骨髄で盛んに作られて数を増やしますが、少なすぎる場合は感染症に罹りやすくなります。

■RBC(赤血球):基準値;男430~570万/μL、女380~500万/μL

赤血球の数が減ると貧血になりますが、増えすぎるのは多血症で、血液の流れが悪くなります。

■Hb(ヘモグロビン):基準値;男13.5~17.5 g/dl、女11.5~15.0g/dl

赤血球内のヘモグロビンは酸素を身体の細胞組織に運び、代わりに二酸化炭素を受け取って肺まで運んで放出し、再び酸素と結び付いて各組織に運ぶという重要な働きを担っています。ヘモグロビンが少なすぎると貧血に、多すぎると多血症になります。

■Ht(ヘマトクリット):基準値;男39.7~52.4%、女34.8~45.0%

血液を遠心分離して、全血液に対する赤血球成分の割合を調べます。貧血だと少なく、多血症だと多くなります。

■血小板:基準値;14.0~34.0万/μL

血球成分の一つで粘着性があり、出血した時に傷ついた血管壁に付着して糊のように出血を止める働きをします(凝集)。凝集する能力が亢進しすぎると血栓ができやすく、少なすぎると出血が止まらなくなってしまいます。慢性肝炎が進行し、肝硬変になってくると血小板数が減少してしまうため、肝機能検査の一部としても利用されます。

〇肝機能

■AST(GOT):基準値;10~40U/L37℃

体の重要な構成要素であるアミノ酸を作る作用があります。体内のいろいろな細胞、特に肝細胞や心筋細胞内の酵素で、細胞が破壊されるとその程度に応じて酵素が血液中に漏出してきます。肝疾患のほかに、心筋梗塞でも増加します。

■ALT(GPT):基準値5~45 U/L 37℃

ASTと同じようにアミノ酸を合成する酵素で、特に肝臓に多く、肝疾患で増加しますが、心筋梗塞では殆ど上昇しません。

■LDH:基準値;120~240 U/L 37℃

糖を分解してエネルギーを産生するときの酵素で、肝臓、肺、腎臓、心筋、骨格筋、血球などに多く、急性肝炎の初期や肝がんなどで上昇しますが心筋梗塞、肺,胃・大腸・膵臓などのがん、悪性貧血、本態性血小板血症などでも高値を示すので、これらの病気のふるい分け検査として利用されています。

■γ-GTP :基準値;男80 U/l 37℃以下、女30 U/L 37℃以下

たん白質を分解する酵素で、種々の肝障害やアルコール摂取で増加します。いわゆる酒飲みのための肝機能検査としても知られています。また、胆管がんなどで胆道系に障害があると高値になります。

■総たん白:基準値;6.7~8.3g/dl

血清中のたん白質です。栄養状態、肝機能、腎機能などがわかります。

■ALP(アルカリホスホターゼ):基準値;100~325 U/L 37℃

有機リン酸化合物を分解する酵素で、身体の殆どの臓器や組織に含まれていますが、特に胆道の上皮細胞に多く含まれていて、胆管の炎症や胆汁の鬱滞(うったい)で上昇します。又、肝臓や骨の病気でも高くなります。肝臓や胆道疾患、アルコール性肝炎、肝硬変、肝臓がん、胆管結石、骨軟化症、くる病などで上昇することがあります。

〇脂質

■LDLコレステロール(悪玉コレステロール):基準値;65~139ml/dl

脂質成分のコレステロールは水に溶けないので、たん白と結合して血液に溶けやすいリポたん白になります。その中で脂が多くてたん白質が少ないものを低比重リポたん白といいます。このリポたん白は中性脂肪などと一緒に動脈壁に沈着して動脈硬化(熟状硬化=アテローム硬化)を促進する悪い作用があります。

■HDLコレステロール(善玉コレステロール):基準値;男40~85 ml/dl、女45~95ml/dl

脂質成分のコレステロールは水に溶けないので、たん白と結合して血液に溶けやすいリポ蛋白になります。その中でたん白質が多くて脂が少ないものを高比重リポたん白といいます。このリポたん白は血管壁に付着しているLDLコレステロールや中性脂肪を肝臓や筋肉へ運ぶため、別名、血管の掃除人とも呼ばれ、動脈硬化を予防するという良い作用を発揮します。HDLコレステロールが少ない人に心筋梗塞が多いという統計があります。

■中性脂肪(トリグリセライド、トリグリセリド):基準値;30~149ml/dl

身体が利用するエネルギーで臓器や組織維持のために利用されますが、利用されなかった分は皮下脂肪や内臓脂肪などとして蓄えられます。中性脂肪が多すぎると肥満や脂肪肝になり、また、LDLコレステロールも増加させて動脈硬化症など様々な生活習慣病の誘因になります。

〇糖代謝

■血糖(グルコース):基準値;空腹時は70~109ml/dl。随時血糖140 ml/dl以下

血糖とは血液中のブドウ糖のことで、生命活動を維持するエネルギーとしてインスリンの作用で利用されます。インスリンの作用が足りないためにブドウ糖を利用できないのが糖尿病です。特に、脳細胞はブドウ糖と酸素しか利用できません。空腹時血糖を調べて糖尿病の有無を判断します。

■HbA1c(ヘモグロビンA1c)(NGSP):基準値;4.6~6.2%

赤血球内のヘモグロビンとブドウ糖の結合したものをいいます。糖尿病のコントロールが悪く血糖値の高い状態が続くと高くなり、逆にコントロールが良くなると下がってきます。赤血球の寿命は約3カ月で、その赤血球とともに存在するので、過去2~3か月の血糖値のコントロール状態を把握するのに用いられる指標です。

〇腎機能

 食事によって吸収されたたん白質や身体の組成成分としての働きが終わったたん白質は、尿素窒素、クレアチニン、尿酸などの分子量が小さい物質に分解されて腎臓の糸球体で濾過されて尿中に排泄されます。

■BUN(尿素窒素):基準値;8.0~20.0ml/dl

腎臓の排泄機能が低下すると、尿素窒素が尿中に排泄されなくなり、血液中に増加してしまいます。これを測定して、腎臓が正常に機能しているかどうかを調べます。

■クレアチニン:基準値;男0.61~1.04 ml/dl、女0.47~0.79ml/dl

クレアチニンは尿素窒素よりも小さい分子のため、腎臓の糸球体でよりよく濾過されて尿中に排泄されますが、腎機能障害があると正常に排泄されず、血液中に増えます。値が高いほど腎機能の障害が進行していることを示します。

■eGFR:基準値; 90以上

慢性腎臓病(CKD)はその重症度に応じて、ステージ1からステージ5の5段階に分けられていて、その指標となるのが推定糸球体濾過量(eGFR)です。これは、腎臓にどれくらい老廃物を尿へ排泄する能力があるかを示しており、この値が低いほど腎臓の働きが悪いということになります。この値は血清クレアチニン値と年齢、性別から計算します。
正常または高値(GFR≧90)、正常または軽度低下(90>GFR≧60、軽度~中等度低下(60>GFR≧45)、中等度~高度低下(45>GFR≧30)、高度低下(30>GFR≧15)、末期腎不全(15>GFR)。

■尿酸:基準値;男3.8~7.0ml/dl、女2.5~7.0ml/dl

尿酸が高いと痛風発作を起こしたり、腎機能低下や動脈硬化を起こしたりしてしまいます。毎日新陳代謝により日々古い細胞が壊され、新しい細胞が作られていますが、壊された細胞の成分である核酸が分解されて尿酸ができますが、これを内因性尿酸と呼びます。また、食事から吸収されて出来た尿酸を外因性尿酸といい、両方合わせたものが血清尿酸値となります。特に尿酸が増える食品はビール、モツ、レバー、大豆製品などプリン体が多い食品ですから、高尿酸血症の人はこのような食事を減らし、利尿のため水分を多めに摂取する習慣にしてください。尿酸が血液に溶けなくなり析出し始めるのが6.5 ml/dlからですから、6.5 ml/dl以下を保つのが理想的です。

〇電解質

 体液は、細胞の中に含まれている細胞内液と、細胞の外にある細胞外液で構成されています。この体液中には様々な物質が溶け込んでいます。水に溶けていてイオンになる電解質と水には溶けてもイオンにならない非電解質になります。電解質はさらに陽イオン(+)と陰イオン(-)に分けられます。ナトリウム、カリウム、カルシウムなどが陽イオンで、クロール、無機リンなどが陰イオンです。それに対して、ブドウ糖や尿素窒素、クレアチニン、尿酸などは非電解質になります。

■ナトリウム:基準値;137~147 mEq/dl

血液中に多く含まれ、血液の浸透圧などのコントロールをしています。大変に重要な働きをしていますが、多すぎると血液の浸透圧が高くなり、高血圧の誘因になります。

■クロール:基準値;89~108 mEq/dl

ナトリウムと一緒に作用します。ナトリウムと結合して塩(塩化ナトリウム)になります。

■カリウム:基準値;3.5~5.0 mEq/dl

細胞内液に多くあります。心筋、骨格筋などが収縮を繰り返すときにナトリウムと一緒になって作用します。少ないと強い倦怠感、心電図異常、こむら返りなどが起こります。野菜、果物、豆類に多く含まれています。

■カルシウム:基準値;8.4~10.4 mEq/dl

骨や歯などの重要な原料です。偏食などでカルシウム摂取量が少ないと骨からカルシウムを溶け出させて血中濃度を一定にするメカニズムが働き、骨粗鬆症になってしまいます。逆に多すぎると血清LDLコレステロールや中性脂肪などの脂質と一緒に動脈壁に沈着して動脈硬化(アテローム硬化など)を促進したり、胆石や腎臓結石などの原料になったりしてしまいます。

〇膵機能検査

■血清アミラーゼ:基準値;40~122 U/L 37℃

アミラーゼは別名ジアスターゼで、炭水化物を分解する消化酵素の一つです。膵臓の細胞が炎症などで壊れると血液中のアミラーゼが増加します。

■尿アミラーゼ:基準値;65~840 U/L 37℃

膵炎などで血液中に増加した血清アミラーゼは時間が経つと腎臓から尿中に排泄され、尿アミラーゼになります。

〇腫瘍マーカー

■CEA:基準値;5.0ng/ml以下

胎児の消化器組織だけに見られる蛋白の一種です。健康なヒトは誕生後には見られなくなりますが、大腸がんの血液中に多く見られることが分り、その後も大腸がんのほかに、膵臓がん、膀胱がん、甲状腺がんなどでも増加することが分って来て、がんのスクリーニング検査として広く用いられています。

■CA19-9:基準値;37U/ml以下

膵臓がん、胆のう・胆管がんなどの血液中に増加することから、特に膵臓がんの腫瘍マーカーとして用いられています。

■高感度PSA:基準値;4.00ng/ml以下

前立腺の細胞が増殖するときに出来る物質です。前立腺がんで特異的に反応するために、前立腺がんのスクリーニングとして用いられますが、慢性前立腺炎でも増加することがあります。基準値以上の場合は前立腺がん専門の泌尿器科に紹介し、直腸診、腹部エコー、CTスキャン、生検などの精査をします。

■CA125:基準値;35U/ml以下

本来は特に卵巣がんで比較的特異的に高値を示す腫瘍マーカーです。漿液性がん、類内膜がんなどでかなり高値を示し、がんが縮小すると数値が低下するので、がんの診断や治療効果判定にも用いられます。

〇ウイルス検査

■HBs抗原:基準値;陰性(-)

B型肝炎を起こすB型肝炎ウイルスの有無をチェックします。

■HCV抗体:基準値;陰性(-)

C型肝炎を起こすC型肝炎ウイルスの有無をチェックします。B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスともに肝硬変、肝臓がんを引き起こすため、陽性の場合はインターフェロンや抗ウイルス薬などでウイルスを殺す必要がありますから、専門医に紹介することになります。

☆胸部X線検査

 物を透過する作用があるX線(放射線)を体に照射し、その透過像を見て、体の内部の構造や変化を調べます。肺などの呼吸器系、心臓や大動脈などの循環器系の病気の他、胸廓を形成する骨格系や筋肉などを見ます。胸部X線検査では肺は心臓、縦隔、横隔膜などと重なっているので全体の半分程度しか見えません。それらと重なっている部分の病気を疑う場合は胸部CTスキャンなどを追加検査する必要があります。

 

☆生体検査

〇心電図検査

 心臓が血液を送り出すために拍動するとき、心筋が微細な電気を発生します。その電気の強弱を波形グラフ化したものが心電図です。心臓の働きに異常があると、その波形に変化が生じるため、それを読み取って診断に役立てます。不整脈、狭心症、冠不全、心筋梗塞、電解質異常、薬物作用など。

〇上腹部消化管X線造影検査

 X線を透過しない硫酸バリウムを飲んで食道、胃、十二指腸の病気をチェックします。潰瘍やがんなどが疑われる場合は、内視鏡検査を追加します。胃のスキルスがんは内視鏡検査より分りやすいというメリットもあります。食道炎、食道潰瘍、逆流性食道炎、胃ポリープ、胃潰瘍、胃がん、十二指腸潰瘍、十二指腸憩室などが分ります。

〇視力測定

 左右の視力検査です。裸眼か矯正視力(眼鏡、コンタクトレンズ)のいずれかを調べます。

〇眼底検査

 眼球の後部には、網膜、脈絡膜、視神経乳頭などがあり、その部分の異常を調べる検査を眼底検査といいます。特に網膜には、眼底の細小動静脈血管があり、それらを観察することにより、眼底動脈の高血圧性変化、動脈硬化性変化、糖尿病性変化などが分ります。また、眼底動脈は内頸動脈から最初に枝分かれした血管のため、脳の動脈硬化などを推察することもできます。脳圧亢進では視神経乳頭が腫れてきます。緑内障や正常圧緑内障は眼底検査で乳頭が陥凹している所見が見られますが、この所見は眼科医で精査が必要です。その他、白内障なども分ります。

〇眼圧検査

 眼圧が高いと緑内障の可能性があります。緑内障は視野の狭窄、失明をきたす疾患ですから、眼圧が高い場合は眼科へ紹介します。基準値;左右とも10~20mmHg以下。

〇聴力

オーディオメーターを用いて高音性難聴、低音性難聴の検査をします。4000Hz(ヘルツ、サイクル)で高音、1000Hz(ヘルツ、サイクル)で低音の聞こえる音の強さを調べます。基準値;それぞれ30㏈(デシベル)以下。

〇腹部エコー検査

 ヒトの耳には聞こえない高周波数の超音波を腹部臓器に発信し、その反射波(エコー)をコンピュータで解析し、画像化して観察するのが腹部エコーです。肝臓、胆嚢、膵臓、脾臓、腎臓、子宮、前立腺などを調べます。脂肪肝、肝嚢胞、肝硬変、肝がん、胆嚢結石、胆嚢ポリープ、膵炎、膵臓がん、脾腫、腎結石、水腎症、腎臓がん、卵巣嚢腫、子宮筋腫、子宮がん、前立腺肥大、腹水など。また、妊娠の有無、胎児の状態など。

〇CTスキャン(コンピュータ断層撮影検査)

 X線CT検査とは人体を透過したX線をディテクター(検出器)で検出し、それをコンピュータで処理して断層画面を作り、体内の様子を調べる検査です。頭部、胸部、腹部などの内部を鮮明に把握できます。脳疾患、眼科・耳鼻咽喉科疾患、肺がん、肝がんなどあらゆる臓器の形態の変化が分ります。

〇MRI(磁気共鳴診断装置)

 人体を強力な磁場の中に入れると体内にある水素原子核が磁気に共鳴して運動したり、密度を変えたりします。その原子核の動きをとらえてコンピュータ処理をし、断層画像化する方法です。MRIはX線CTスキャンに比べ、X線を使わない、脊髄や延髄などの骨の周辺の鮮明画像が得られる(X線は骨を通過しにくいので内部や近接部の描出が困難)、縦横斜めなど、どの方向からの画像も得られるといった大きなメリットがあります。脳梗塞、脳出血、脳腫瘍、くも膜下出血などの頭蓋内部の疾患、眼科・耳鼻咽喉科疾患、動脈瘤などの血管の病気、脊椎疾患、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症などが分ります。

〇頭部・内頸動脈MRA(MR血管造影)

 MRIは強力な磁場を使って断層像を描出しますが、動いているものは認識しません。逆に、動いているものだけを描出すると脳動脈が描き出されるのです。造影剤を使わないで内頸動脈、前大脳動脈、中大脳動脈、椎骨動脈、脳底動脈、後大脳動脈、内頸動脈の状態、脳動脈瘤の有無などが分かるという検査法です。